• トレンド
  • 飯島 聖宏(技術部 (元アメフト部))
  • 2011/01/18

NFL (National Football League, アメリカのプロフットボールリーグ) のプレーオフが現地の 1 月 8 日から始まりました。NFL には AFC と NFC という 2 つのカンファレンスがあり、それぞれ東西南北の 4 つのブロック (地区) に 4 チームづつ所属しています。それぞれのカンファレンスで各地区の優勝チーム 4 チームと、地区優勝を逃した 12 チームのうち各カンファレンス内で勝率が高い 2 チーム (「ワイルドカード」と呼ばれます)、合わせて 6 チームがカンファレンスごとに一発勝負のトーナメント方式でプレーオフを行います。各カンファレンスで優勝したチーム同士が スーパーボウル に進出し世界一を競います。

1 月 8 日、9 日に行われたプレーオフの第一回戦、ワイルドカードラウンドでは 4 ゲーム中 3 ゲームが 1  ポゼッション (攻撃権) 以内の僅差となる、ワンプレーで勝敗が逆転してしまう非常に熱い戦いが繰り広げられました。

昨年の日本のプロ野球では比較的地味な組み合わせになってしまったためプレーオフも日本シリーズも視聴率の低迷が危惧されていたものの、蓋を開けてみれば熱戦の連続で予想外に耳目を集めたのと同様、やはり熱い戦いは出場するチームによらずスポーツファンの注目を浴びるもので、記録的な視聴率をマークしたようです (米国の話ですが)。

贔屓にしている 2 チームのうち 1 チームは敗れてしまいました。が、もう一方はまさに最後のワンプレーで逆転し二回戦、ディビジュアルラウンドに駒を進めました。

プレーオフの組み合わせは基本的に勝率で決定されます。野球では試合勘がどうこう、ということでゲームから離れている期間が長い勝率上位のチームにとって不利である、などと言われることがありますが、一つのゲームごとの消耗度が非常に高いフットボールにおいてはワイルドカードラウンドを戦わずに一週間休める勝率上位チームの方が有利なようです。以前はワイルドカードが 1 チームあるいは 2 チームという時代があったとはいえ、ワイルドカードからスーパーボウルに進出できたチームは Dallas Cowboys (10th)、Oakland Raiders (15th)、Pittsburgh Steelers (40th) ぐらいしか記憶にありません。 

フットボールは偶然を極力排除し、緻密にデザインされたプレーを論理的に組み立てていく戦略・戦術性が非常に高いスポーツです。特にオフェンスにその特性が現れます。論理的であるがゆえに、裏を返せば相手側のストーリーを読めれば対策を立てやすくなります。

チームのメンバーの構成、その特徴やコンディション、得意不得意などのチーム事情、チームあるいは指導者の思想や好み、対戦相手、天候、そのゲームのシーズンの中での位置付け、などなど様々な要因によりストーリーは異なります。また、一つのゲームの中でも変更することはあります。

それでもいくつかのゲームを偵察 (スカウティング) すると、このあたりのボールポジションの 3rd Down Short ではこんなプレーが多い、とか自陣での 1st Down ではこのプレーが多い、3rd Down Long ではこのサイドのこのパスプレーが多い、などというトレンドが見えてきます。

ショートヤーデージではそのチームにとって自信のあるプレーで 1st Down をとりたい、あるいはこのプレーで Touch Down するんだ、一番信頼できるこのオフェンスラインが開けるホールに一番信頼できるキャリアに突っ込ませるんだ、という気持ちがありますからトレンドができてしまうのは仕方がない面もあります。さらにそのプレーを意識させておいて大事な、たとえばプレーオフなどでそのプレーを囮にして裏をかくこともありますし、あるいはシーズン序盤に裏のプレーを見せておいてディフェンスにプレーを絞られないようにしておくなど霍乱戦術をとることもあります。

それでもやはり人間の、それもほんの短時間での判断においてはトレンドができてしまいます。これは自分たちのチームのフットボールを確立するために、核となるプレーを中心に練習しそのプレーに繋がるプレーをコールすることが多くなるので必然でもあります。前記のようにトレンドのイメージを利用して裏をかくのもフットボールの一部であるので、なくす必要はないと思います。

ただし、シグナル解析においてはトレンドは必要がないばかりか解析結果をゆがめてしまう原因となる、除去すべきものです (やっと技術ネタに持ってこれた)。

時々、お客様から思わぬ周波数成分があまりに強くて本来見たい周波数成分が見られない、というご相談を受けることがあります。他社のソフトウェアでの FFT の結果とまるで異なるとご指摘いただくこともあります。そういった場合、可能な限りデータをお借りして検証してみます。FlexPro のアルゴリズム、あるいはプログラムに問題がある可能性を検討するため、たとえば IGOR ProMathematica などを使って検算も行います。FlexPro だけ結果が顕著に異なることはほとんどなく、同じような結果が得られます。そういう場合にデータを見直してみると、交流成分であったり温度変化だったり原因と考えられるものは様々ですが、トレンドがそんざいしているケースが多いようです。 

Origin などは設定により交流成分のような一定のトレンドについてはほぼ自動的に除去してくれる機能があるようです。結果が異なるとご指摘される方は Origin もお使いなのでしょう。

FlexPro にはトレンドを除去する Detrend という関数が用意されています。この関数のよくできたところは、一定のトレンドだけではなく線形に上昇あるいは下降するトレンドや直線的ではなく揺れ動くトレンドも除去できることです。

Trend 関数を使用してトレンドを見ることもできます。

他のソフトウェア製品、あるいはアナライザでの FFT の結果にご不満がある方、ぜひ FlexPro の トライアル版 でこの機能をお試しください。

 

しつこい風邪が流行っているようですし、新型インフルエンザも流行してきたようです。皆様ご自愛ください。

 

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