しばらくご無沙汰していたと思ったら急に連投モードですみません。

年明けから通常のローテーションに戻る予定です。投稿者がまた三人に戻ってしまったのでローテーションが厳しめですが。

今回タイトルにしたカラーマッピング、以前からたまにお問い合わせ頂くことがありました。が、正直なところ具体的に何を指しているのか明確には理解できていませんでした。

数日前にあるイベントでお客様からご質問され、そのお客様がくださったキーワードと、そのイベントの説明員でいらした某計測機器メーカーの方のアシストでようやく理解することができました (Y 社の Y 村さん、ありがとうございました)。

横軸に時間、縦軸に周波数、垂直軸に周波数の強度をとったサーフェイスあるいはコンターのことを指していたんですね。それであれば FlexPro ではショートタイムフーリエ (短時間フーリエ、STFT) または離散ウェーブレット変換 (CWT) (STFT、CWT ともスペクトル解析モジュールが必要) を使って時間 - 周波数解析を行い、サーフェイスか等高線としてダイアグラム (グラフ) 化すれば可能です。

 

 

複数の成分が混在するようなデータを解析して周波数成分に分解して見るにはフーリエ変換、特に演算処理時間コストが比較的小さい高速フーリエ変換 (FFT) が使用されています。FFT は定常的に混在しているノイズなどの特定には優れていますが。解析結果には時間情報が存在しないためノイズが偏在する、例えば生体信号や移動体の振動解析などの測定データの解析には STFT や CWT が使用されます。

例えば下のようなデータの解析をするとします。

Data.jpg

FFT を実行すると下のような結果が得られます。

FFTspectral.jpg

4 つの周波数成分を正確に特定していますが、時間情報は完全に失われています。

そこで STFT や CWT を行います。

STFT (ショートタイムフーリエ変換) はその名が示すとおりデータを短時間で区切り、区切った短時間のデータに対してフーリエ変換を行う解析手法です。時間 - 周波数分析では一般的に時間分解能を高くすると周波数分解能が低下します。STFT ではウィンドウの長さと FFT を実行する長さを別々に設定することでこの問題を回避します。

stft0.jpg

stft1.jpg

stft2.jpg

セグメント長を変更して見比べてみると時間分解能と周波数分解能がトレードオフの関係にあることが一目でわかりますね。

正弦・余弦関数を基底関数に使用する FFT ベースの STFT と異なり、ウェーブレット変換ではマザーウェーブレットと呼ばれる局在した関数を拡大・縮小・シフトして組み合わせたものを基底関数に使用します。

cwt_morlet.jpg

FlexPro では Morlet、Paul、Gaussian Derivative の 3 つのマザーウェーブレットから選択して使用することができます。Morlet ウェーブレットがもっとも時間分解能が高く、Paul は若干劣り、Gaussian Derivative はさらに劣ります。周波数分解能に関しては Gaussian Derivative が最も高く、Paul が最も劣ります。Morlet はその中間程度です。

STFT ではセグメント長が時間 - 周波数分解能のトレードオフをコントロールしていました。ウェーブレット変換は多分解能の手法です。時間 - 周波数分解能は一定ではなく、周波数によって変動します。

短時間の高周波数成分は非常に高い時間分解能を要求されます。このため高周波数成分の時間分解能は抑えられます。長時間の低周波数成分はそれほど高くない時間分解能でも許容されますが高い周波数分解能が要求されます。

この多分解能な性質により最適なセグメント長を決定するという困難な問題を避けることができます。ただ、上記のような時間 - 周波数分解能を持つため、長時間の高周波数成分や短時間の低周波数成分をもつシグナルの解析には適しているとは言えません。この場合は STFT の利用をおすすめします。

CWT ではラップアラウンド効果を避けるためにゼロパディングが使用されます。ラップアラウンド効果は避けることができますがゼロパディングによりデータの終りに不連続性が発生します。さらにゼロが畳み込みに持ち込まれるためパワーがスペクトルの端付近で縮小されます。

周辺効果のこのゾーン (上のダイアグラムの左下や右下のあたりの空白部分) は Cone Of Influence (COI) と呼ばれるそうです。ソフトウェアによっては、どのような処理をしているのかはわかりませんがこの部分を埋めて表示するものもありますが、FlexPro では空白として表示されます。

こうして得られた時間 - 周波数解析の結果をカラーのコンター図で表現したものがカラーマッピングと呼ばれるようです。

colormap0.jpg 

colormap1.jpg

 FlexPro サポートページにある 時間 - 周波数スペクトル解析チュートリアル もご参考まで。

私の年内の投稿はこれにて最後となります。

皆様、良いお年を。

その前に Merry Christmas!!

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