• 夏祭り
  • 飯島 聖宏(技術部)
  • 2010/07/14

いよいよ梅雨明けが近づき、夏がもうすぐそこまで来てますね。夏と言えば祭り!私は現在は都内に住んでいますが、千葉県は佐原市 (現在は町村合併により香取市) に生まれ育ちました。中心地域である佐原は利根川の支流である小野川が町の中心を流れ町域を東と西に分けています。東側の地域は本宿、西側は新宿と呼ばれています。この町には関東三大山車祭りの一つと言われ、国の重要無形民俗文化財に指定されている 祭り があります。本宿は現在 10 町内が夏 7 月に、新宿は 14 町内が秋 10 月にそれぞれ山車を曳き回します。ちなみに今年の 夏祭り は 7 月 16 (金)、17 (土)、18 (日) 日です。

もともとは本宿は八坂神社、新宿は諏訪神社の神輿が中心となる祭りでしたが、神様への神饌として奉納する初穂や鯉、鷹などを乗せ御幣を立てた台車がその起源であると一説ではいわれる山車 (佐原では幣台、やだい、やでぇなどと呼んでいます) とその山車に乗演する下座連が奏でる佐原囃子が見る側にも参加する側にとっても現在では中心的になっています。

幾度もの大火が佐原を襲ったため資料がほとんど残っていないので経緯に関する史実はわかりませんが、江戸への物資等の舟運の中継基地都市として栄えた商都佐原で町内同士その美を競い、山車は豪壮、豪華絢爛になってきたようです。

かく言う私の実家も本宿の山車持ち町内の一つにあるため、物心ついたころから山車を曳いてきました。小学校に上がる前は休憩時などに配られるお菓子やアイスが楽しみで、小学校の頃は山車を曳くのはもちろん、神社の境内に出る射的や型抜き、輪投げ、金魚すくい、スーパーボールすくい、チョコバナナといった夜店や祭りの間だけ設けられる見世物小屋が楽しく、中学校以降は大天井に乗ったり後ろで山車を押したり、10 代の後半からは梃子を持たせてもらったりと祭りそのものにより深く参画する楽しみを覚え、かれこれ 40 年近く祭りに参加しています。

大学入学と同時に地元を離れてしまったため 3 日間開催される祭りに 3 日とも参加することはなかなかできなくなってしまい、また準備や後片付けに参加できずに心苦しく思いながらも土日だけ山車を曳かせてもらっています。

ところで、子供の頃はそれほど感じていなかったのですが、年を経るごとに祭りの後の足の痛みがひどくなってきている気がします。ここ数年はエアージョグなどのエアークッションの入った地下足袋を履いて、さらに毎晩足の裏に貼り薬を貼ったり筋肉痛用のスプレーをかけて寝たりして少しは軽減させる努力をしているとはいえ、回復力が衰えているのか痛みが引くのに数日かかってしまうようになってしまいました。やはり日ごろ歩いたり走ったりしていないせいですかね。

それだけ足が痛くなるなんて、いったい祭り中どれくらい歩いているのか気になりました。タイミング良く同じ町内の同級生が 今年の夏祭り のわが町内の曳き回し順路を送ってくれたので、実際にどのくらいの距離を歩くのか調べてみたいと思います。

今回使うツールは Google Map と FlexPro です。

Google Map のマイマップ機能を使って参加予定である 2 日目 (中日) と 3 日目 (楽日) のコース上のポイントをマップしていきます。Google Map を使うと各ポイントの北緯、東経の座標情報が簡単に得られます。

FlexPro のバージョン 8 では TrackDistance という関数が追加されました。これは地球上の二つの座標を与えるとその二点間の距離を返してくれます。地球表面の丸みを GRS80 楕円を使用して計算してくれるので、遠く離れた二点間の距離でもある程度正確に教えてくれます。精度は 50 m 程度だそうです。まあ、今回は半径 2 km 程度の範囲内での移動ですので地球の丸さの影響はほとんどないでしょうが。TrackDistance 関数を使って二つの地点間の距離を求めるスクリプトは以下のような感じです。

TrackDistance((35.888424, 140.503654), (35.888274, 140.502860))

非常にシンプルです。FlexPro8 のオンラインヘルプにはロンドンとニューヨークの間の距離を求める例が挙げられています。

TrackDistance((-0.12, 51.5), (-74.0, 40.7))

結果は 5586.5km だそうです。

できるだけ実際に練り歩くコースを正確に算出してもらうために、道なりに進む場合でもその道路が湾曲している場合は道中に何か所かポイントを置くようにしてみました。ご興味がある方は 中日楽日 のマップをご覧ください。酔狂にも 興味をもたれて祭りを見物に来てくださる方、我が町内の 山車 には大きな鯉が載っていますのでこれを目印にしてください。

結果が出ました。中日は 4.55 km、楽日は 6.84 km。中日は毎年、全町内の山車が整列し、遠し砂切りや総踊り、曲曳き、番組を組んで (順番に並んで) 巡行したりといった行事があるためコースは短めだろうと予想はしていましたがあまりの短さにびっくり。食事や休憩、踊り、飾り付けの直しなど止まっている時間がそれなりにあるとはいえ、12 時間かけてこのくらいしか歩いていないなんて。ゴルフの 1 ラウンド程度しか歩いていない!まあ、数十人がかりとはいえあの重い山車を引っ張って歩いているんだからゴルフよりよっぽど足腰に負担はかかるし、エアクッション入りとはいえゴルフシューズやスニーカーとかに比べると底の薄い、祭りのときにしか履かないから履きなれていない地下足袋で歩くから疲れは倍以上になっているのかもしれません。ゴルフだと一部はカートに乗って歩いていないし。

それにしても予想よりだいぶ少なかった。し、マップを見ても半径どころか直径で 2 km 程度の範囲しか移動していない。でも本当にその程度しか歩いていないのかなあ。Xperia に最近インストールした GPS ロガーアプリ My Tracks で検証してみようかな (酔っぱらって忘れてなければ)。こんな狭い範囲を行ったり来たりしているのに、来てくださっている観光のお客様からはなかなか山車と巡り合えないとのご不満の声をいただくことがあるとか。佐原の祭りをご覧になりに来られる方に今回作ったマップが参考になったらいいな。

7 月 19 日以降にこの記事をご覧になっている方、我が町内の曳き回しや曲曳きの動画を公開されてくださっている方がいらっしゃいましたのでこちらで雰囲気だけでも味わってください。一部、私も映っています。秋、あるいは来年以降機会があればぜひ佐原を訪れ生でその迫力を体感ください。

のの字廻しと呼ばれる曲曳きでやってしまうと一番恥ずかしい、途中で止まってしまったシーン。恥ずかしながらその一員として映ってしまっています。

こちらは一軍編。勢いが違いますね。

参加する側も見る側も人が増えて、お酒も昼よりも入り、夜の暗さと明かりのコントラストで山車の美しさも増し、仕舞が近づいてくる寂しさもあり、最も盛り上がります。

正直なところ、参加している側としては重要無形文化財であるとか、市にとって重要な観光資源であるとかいった意識は薄く、観光サービスという面ではまだまだだと思います。特に本宿の夏祭りは。ただ、そうして祭りを祭りとして純粋に楽しんでいるからこそ存続し、形骸化せずに盛り上がっているという側面もあるのかなあ、とも思います。助っ人を多く受け入れている都会の神輿祭りなどに比べ、地元民あるいは地元民との何らかの血縁、地縁、知縁がある者しか参加できない閉鎖性を指摘されることもあるようですが、だからこそ重要無形文化財に指定されるだけの独自性を保ちえたと言えるのかもしれません。ま、難しいことはさておき、大きな生き人形などの飾り物を載せ、緻密な彫刻で装飾された大きな山車が重要伝統的建築群保存地区である小野川沿いを練り歩くさまは必見です。また、祭囃子として一般的に想起される神田系のお囃子とは異なり、軍歌や童謡、(昔の) 流行歌、郷里の俗謡から尺八の名曲を改編した曲まで、速いテンポのものからゆっくりしたものまでバリエーション豊かな曲目が場面に合わせて演奏される佐原囃子も非常に心地よいです。一度はご覧になってください。

今回も本題である FlexPro の機能紹介よりもその他の話が大部分を占めてしまいました。機能に関する濃い話を期待されていた方がいらっしゃったらごめんなさい。「祭り」だから赦してください。次回はもう少し真面目にお役にたつ話をしたいと思います。

※この記事の内容は執筆者の個人的見解で、ヒューリンクスによる公式情報ではありません。[免責事項]

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