季節はずれな話題ですが、最近、東京では雪が積もらなくなった気がします。僕の小さい頃、小学校の1年生だったでしょうか、東京にもたくさん雪が積もった記憶があります。冬はもっと寒くって、霜柱をバリバリ踏みつぶして歩いていたような気がします。いつ頃から、東京の冬は様変わりしてしまったのでしょう?

「暖かくなること」で僕が想像できるのは、地球温暖化 ヒートアイランド現象 です。

地球が温暖化効果ガスの濃度上昇で暖かくなっているという地球温暖化という話(最近は、この主張に懐疑的な見解もあるようですが、その議論はここでは触れません)は、年平均気温が1℃や2℃上昇すると大騒ぎという世界です。ハワイで観測されているCO2濃度がじりじりと右肩上がりで増加しているグラフをご覧になったことがある方も多いでしょう。

一方、都市部の温暖化、ヒートアイランド現象と呼ばれる問題も同様に気温の上昇にかかわるものですが、温暖化効果ガスではなく、人工排熱の増加や人工構造物の増加による熱容量の増加、土地利用の変化(緑地や水被覆の減少)、構造物による風系の変化などが、比較的小さなスケールの気象に変化を及ぼしているというもの。

冒頭に述べた僕の感じているこの変化は、グローバルな気候変動の中で考えるべきなのか、ヒートアイランド現象のようにもっとローカルな現象として考えるべきなのかよくわかりませんが、少なくとも顕在化した現象として、東京の気温がどのように変化してきたのか IGOR Pro で調べてみようと思います。

▼ 気温データ(AMeDAS)

気温データは気象庁の AMeDAS(Automated Meteorological Data Acquisition System)からお借りすることにしました。AMeDAS の過去のデータを入手するサイトに行くと、観測開始からの月ごとの値 というおあつらえ向きのデータがあることがわかりましたので、このデータを使いました。

このデータには、1876年から現在までの、月平均気温、日最高気温、日最低気温など、14種類の項目があります。興味があるのは「寒さ」なので「日最低気温」と、比較のために「日最高気温」も利用することにしました(Fig.1)。

ig_movie_01.pngFig.1 気象庁 データ配布サイト [http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/]


例えば、2009年の日最低気温と日最高気温をプロットすると Fig.2 のようになります。上側の線が日最高気温、下側の線が日最低気温。それぞれ月平均ですので、12ポイントを折れ線でつないだプロットです。日最高気温と日最低気温の差は、おおざっぱですが「日較差の月平均」と考えて良さそうです。プロットでは薄い赤色で塗りつぶした部分が対応します。年間を通して8℃くらいの日較差があることがわかります。


ig_movie_02.pngFig.2 2009年東京の月平均の最低気温と最高気温の変化


さて次のグラフは、1876年の同じデータをプロットしたものです。1876年(明治9年)は AMeDAS で入手できた一番古いデータです。1月を見てください。なんと最低気温が氷点下です! 朝は平均的に氷点下ということですから、霜柱どころか、路面に水をまけば朝にはツルツルになったことでしょう。また、帯の幅も太く、現在よりも日較差が大きかったようです。しかし、8月の最高気温は今と大差ありません。

ig_movie_03.pngFig.3 1876年東京の月平均の最低気温と最高気温の変化


このグラフ、1876年から2009年まで、順番に見ていくと、どんな変化が見られるのでしょう?IGOR Pro を使って、パラパラマンガみたいなムービーで見てみましょう。


▼ ムービーの作成

IGOR Pro でムービーを作成するには、1フレームずつ、ムービーに追加していくプロシージャ(スクリプト)を作成しなくてはいけません。今回の場合、1876年から順に1年進めたグラフを作成しては、フレームを追加するという操作を繰り返す必要があります。

ムービーを作成するときは、基本的に次のようなプロシージャ(MakeMovie)を作成します。

Function MakeMovie()

 (前処理)

 NewMovie //新規ムービーの作成

 ┌─<ここからループ>
 │
 │ <グラフの処理>
 │
 │ DoUpdate //グラフの表示を強制アップデート
 │ AddNewFrame //アップデートしたグラフをフレームとしてムービーに追加
 │
 └─<ここまでループ>

 CloseMovie //ムービーの完成

End


今回の場合は、<グラフの処理> のところで、グラフに表示するデータを1年進めてあげればいいことになりますね。NewMovie 操作関数を実行するには、グラフが必要なので、(前処理)のところで、グラフをあらかじめ描いておく必要があります。

例えば、こんなムービーができます。

blah, blah

1876年のグラフを水色で残して、それ以降のグラフを赤色で描いています。赤い帯がどんどん上にシフトしていく様子がわかります。でも夏場の気温はそんなに変化していません。あくまで平均気温なので、ピークの影響は反映できていないのかもしれません。次は、1時間ごとのデータで、、、といろいろアイデアが湧いていくること間違いありません。

IGOR Pro ではこれまで QuickTime を使って. mov 形式のムービーの処理を行っていましたが、バージョン 6.12 以降の Windows 版では、NewMovie に A フラグ(/A) を利用すると、Windows の機能で .avi 形式のムービーの作成が可能になりました。Windows ユーザにはちょっと嬉しい機能追加かもしれません。


▼ まとめ

AMeDAS のデータを利用して、IGOR Pro でムービーを作ってみました。NewMovie ~ AddNewFrame ~ CloseMovie という流れのプロシージャで実現できます。.avi ファイルは PowerPoint に埋め込んで利用することができますので、プレゼンの幅が広がるかもしれませんね。


井上@技術部でした。


データ出典:
   気象庁, AMeDAS "観測開始からの月ごとの値", http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/

※この記事の内容は執筆者の個人的見解で、ヒューリンクスによる公式情報ではありません。[免責事項]

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