まったくの Mathematica 初心者に、「Mathematica ってどうやって勉強したらいいですか?」と聞かれたら、いまの僕だったら、こんな風にナビゲートする。相手が文系だとか理系だとか、数学/算数が好きとか嫌いとかには関係なく、まったく同じストーリーでオーケー。

(立場上、本来なら、そういう人にはヒューリンクスで開催しているセミナーを案内するべきなんだろうけど、今回はあくまで「自習する方法」の紹介ということで)

まず最初にムービーを見よう。手を動かす前にまず気分の暖機運転として、日本語吹き替えの操作ムービーを見るんである。見るムービーは、開発元 Wolfram Research 社サイトのスクリーンキャスト集ページに掲載されている Hands-on Start to Mathematica (日本語)。このムービーの長さは 20 分弱。音声吹き替えがなかなか見事なので、ヘッドホンをしてでもちゃんと音も聞こう。Wolfram のトップページからこのムービーへと辿るには、[ユーザーサービス] メニューから [チュートリアルスクリーンキャスト] を開き、ページにある大項目の [チュートリアル] から [Getting Started] を開くことで見つけられる (本稿投稿時点の状況)。
このムービー、Mathematica を操作しながら見ることを意図した内容なのだけど、最初はただ見るだけに徹した方がいい。

眠くならずにムービーを見終わることができれば、いよいよ実際に Mathematica を起動。

Mathematica 7 を起動すると、「ウェルカム Wolfram Mathematica 7」という赤っぽいウィンドウが表示される(表示されない場合は、[ヘルプ] メニュー > [ウェルカムスクリーン])ので、ここから [例題から学ぶ] をクリック。[Mathematica の最初のステップ] と書かれたウィンドウが開くのだけど、これがなかなか良くできているのだ。Mathematica の操作を実際にやってみるタイプの実践チュートリアルになっており、たかだか 22 ページしかないのだけど、指示をひとつずつ真面目に試していくと、1時間くらいはかかると思う。

最後まで行っただろうか。ここまででおおよそ1時間半。だが、この1時間半で、Mathematica がどういうものか、そして Mathematica というソフトをどうやって使うものなのかの概要は、間違いなく身についているんじゃないかしら。てことは、たったの1時間半で別人になれたってことかも?

ここで、最初に見たムービーをもう一度みてもいいかもしれない。きっと、最初に見たときよりもスッキリ理解しながら見れるはず。

次は、さっきの [Mathematica の最初のステップ] の続きをしよう(閉じてしまった人は、もういちど開始して、ページ上部の 2/22 を長くクリックすることで最後のページにいきなり跳べる)。最後の 22 ページ目に、[例題による Mathematica ツアー] という項目があるので、これをクリック。[Mathematica のハンズオンツアー] が開く。これは、もう少し踏み込んだ内容をやはり実践形式で試していく 17 ページのチュートリアル。これも、ひとつひとつ書いてある通りに試しながらやれば1時間くらいはかかる。

ここまでで3時間弱だろうか。表面をなぞっただけに感じるかもしれないが、「Mathematica はなんとなく分かった」と言うには十分な状態になっているはずだ。

ただ、ここからさらに、学習者が直面しているオリジナルな課題を Mathematica でこなすことができるようになるためには、もう一歩踏み込んで、原理的な理解(のようなもの)を得られるような学習が必要だ。そこで登場するのが、今回のメインディッシュ(?)、日本 Mathematica ユーザー会編著の『入門 Mathematica』である。

本書は、僕なんか足元にも及ばないくらい Mathematica に深く関わり続けている日本 Mathematica ユーザー会(現在は、日本数式処理学会 Mathematica 分科会)の達人たちが書いた本。僕は、ヒューリンクスに入社する以前から、この本の著者達が Mathematica ユーザー会のメーリングリストやワークショップで発言するのを見聞きするたびに、「何でこの人たちこんなこと知ってるんだろう?」と、なんども感心させられてきた。いまでは僕も、僕の身近にいる人たちからは「Mathematica に詳しい人」と思ってもらえてるっぽいのだが(まぁ、だからこそ、こんな記事を書かせてもらっているわけだが)、僕の知識の多くの部分はこの本の著者達が公開されたものから学ばせてもらったものだし、僕は今でも著者達には遠くおよばない。

7章+付録で、本文部分 268 ページの本だけど、Mathematica 学習を目的で使うのなら、最初の4章 174 ページでオーケー。それでも、練習問題もこみでちゃんと進めると、頑張っても3時間くらいはかかる。毎日ちょっとずつすすめるやり方で1週間くらいだろうか。

ここまでたどり着いた人は、もう後は、必要に応じて、ヘルプやウェブで調べることで、それぞれの問題に Mathematica で取り組むことができるんじゃないかと思う。

ちなみに、この本、初版を 1,000 部しか刷ってなかったらしいというのが心配の種だったが、めでたく増刷がかかったとのこと。良かった良かった。

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HULINKSのwebsiteでやっているblogに,「入門Mathematica」って云う記事が出ていたのでメモしておきます。 とにかく全く初めて... 続きを読む

コメント一覧

Ver.6以降に対応したMathematicaの本が少なくて困っていましたが、「入門Mathematica」は大変ためになりました。特にユーザー定義関数でのオプションの扱い方など。あとManipulateも使いこなしたいです。
今は先月末に出版された「はやわかりMathematica第3版」を読んでいる最中です。内容は似ていますが、細かな章立てになっていて読み易く、さっとコマンドのおさらいをするのに良いですね。

千坂さん、いつもありがとうございます。
『はやわかり Mathematica 第3版』も出たんでしたね。僕も近いうちに読んで確認してみます。
http://www.amazon.co.jp/dp/4320122488

この本も刊行されたようです。
Mathematica Cookbook
BySal Mangano
O'Reilly Media

http://oreilly.com/catalog/9780596521004

サポートページは、まだ始まったばかりのようです。
http://www.mathematicacookbook.com/index.html

ふじむらさん,いつもありがとうございます。
Cookbook ですね。気にはなっていたのですが、僕は 700 ページ超を英文で読み通せる気がまったくしないので、オライリー・ジャパンさんが訳本を出してくれないかなぁと指をくわえてます。(もっとも、日本語で出たからって、700 ページ超もあったら、おいそれと読めませんが)

特定分野用途ですが、『Mathematicaによるロボットアーム解析入門』って本も出てました。これは、Wolfram 社のウェブサイトからもリンクされてますね。
http://www.seizando.co.jp/?main_page=product_info&products_id=1059

いろんな形で情報が出てくるのは、本当にありがたいです。

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