Wolfram Blog に掲載された不思議な写真今回のタイトルを見て、Mathematica を少しでもご存知の方なら、「年賀状の画像素材に使えるようなクールな幾何学模様を Mathematica で描く話かな?」と想像されたのではないだろうか。だがそれはちょっとだけ違う。

Mathematica の開発元、Wolfram Research 社にも数年前から社員ブログサイト Wolfram Blog があり、CEO から技術者までいろいろなメンバーが記事を掲載している。技術者の書いた記事には僕が個人的に興味をひかれるものが多く、新しいのが投稿されるのをいつも楽しみにしている。この Wolfram Blog に、今年の GW 直前に掲載された右の記事を見たとき、僕は、「あぁ、これは年賀状に使いたいと思う人が結構いるんじゃないかなぁ」とすごく思ったのだ。本日紹介するのはこの話。

右上のサムネールでも見えるが(是非サイトに行って直接写真を見てほしい)、2人の子供が絨毯に寝転んでいるのを見下ろすように撮った、それこそ、お子さんのいるご家庭から届く年賀状にもありそうな写真が、不思議なことに、らせんを描くように繰り返されている。 このような段階的に縮小されて繰り返すような画像効果は、ドロステ効果(Droste Effect)というそうだが、単に、段階的に縮小されている画像であれば、それこそ少し画像を編集できるソフトがあれば、時間さえかければ作ることができる。だが、このらせんでは、画像が切れ目なく次の縮小段階につながっている。こーゆーことができる画像編集ソフトなんてのは、僕は聞いたことがない。(もしご存知の方がいたら、コメントで教えて下さい)

各縮小段階の画像は切れ目なく繋がっているこのらせんは、ある種の座標変換で実現されているが、その数学的な理屈は僕には正直よく分からない。僕に分かるのは、サイトに掲載されている 30 行程度の Mathematica コードだけで、好きな元画像からこの画像を作ることができるということだ。
早速試してみたら、確かにできる。僕の手元にある変哲のない画像が、ほんの数分で不思議ならせんになるのには、正直かなり興奮。自分で座標変換の中身をあれこれ変えて試したりできないことに、自分の算数苦手さがかなり恨めしい。

元記事中のコードはなぜか画像で貼られているので、Mathematica を持っている人でも、これを再現するにはそれなりに手間がかかる。そこで、再利用が容易になるようにインターフェースをつけたものを作ってみた。

せっかくインターフェースをつけるんだったら、Mathematica Player Pro(以下 Player Pro)でも使えるようなものにと思って作ったものがこれ。なのだけど、今回判明したのだが、現在 Wolfram Research 社が提供しているバージョンの Player Pro 7.0.1 は、なぜか並列計算機能が利用できないため(Wolfram Research 社のウェブサイトでは、Player Pro で並列計算できることになっている。現在調査中)、並列計算機能が使える環境でないと使えないこのファイルは、現在のところ Mathematica 専用だ(Mathematica であれば、CPU コアが1つしかないような環境でも動作する)。

Mathematica を使える人は、ボタンをクリックして好きな JPEG を読み込み、切り抜く領域をマウスで指定して試してみて欲しい。

ところで、Mathematica を持っていない人は、この楽しい画像処理を試しようがないのだろうか? それではいかにも残念なので、なんとかならないかいろいろ調べてみた。で、なんとか、Player Pro そして無償の Mathematica Player(以下、無償 Player) でも動かせるようなものを作ってみたのが次のファイル。ちょっと怪しげな実現方法をしているのだが、それでも構わないという漢気(?)のある方はご覧あれ。

本来、無償 Player はファイルのインポートや画像の変換ができないようになっている。また、並列計算にも対応していない。今回、画像ファイルの読み込みは裏技的に実現したが(安定性は超不明)、並列計算は実現できていない。

最後に。今回紹介した2つのファイルは申し訳ないがノーサポートだ。試す人は自己責任で試すようお願いしまする。

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コメント一覧

M.C. Escher の「Print Gallery」に似ていますね。

↓ここに Print Gallery を数学的に研究した成果が紹介されています。
http://escherdroste.math.leidenuniv.nl/

多分、同じことをMathematicaで実現させているだと思います。
ちゃんとソースコードを読んだわけではありませんが…。

千坂さん、情報ありがとうございます。確かにエッシャーに似てますね。エッシャーは素手で書いていたんでしょうかね。だとしたら、それはそれですごい…。

ともあれ、コメントありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ご無沙汰してます。 田崎です。
ヒューリンクスのホームページ良くなりましたね。 一時は死んでいるような感じで
捨て置かれているのかなぁと思っていました。 今回の記事、マセマティカに興味を
持っていなかった人にも面白いなぁと感じて興味をそそられたかもしれません。 
ちょっと遊び心のある話題をピックアップしたところが効いてます。
しばらく仕事からは距離を置いていましたが、今年は頭の活性化というか老化防止の
ためマルチに頭を使う機会を増やそうと考えて久し振りにいろんな所のホームページ
覗いてみました。 ウルフラムのページのインフルエンザの解析やMathematica Alphaのブログもちょっと面白いなと思いました。 Alphaに関してなら守屋さんも書くこと
一杯ありそうですね。

話は営業的なことになりますがWolfram Japanのホームページの件、通販で直販していることを書いてますよね。以前から米国直販していましたが今は国内からの出荷ですか? 電話注文は米国で受けるような事を書いていますが通販部分にはそれがありません。 そのくせ、サポートは国内の代理店に問い合わせてくださいと明記されています。ウルフラム直販品はウルフラム本社のサポートを受けることになる旨明記してもらったほうが良いのではとおもいました。 ヒューリンクスにとって不利になる事は
どんどん申し入れして改善してもらうよう交渉ですね。(社員でもないのに相変わらず
細かいことうるさくてゴメンなさい。)
ブログがんばってください。 皆さんにもよろしく。

田崎さん、お久しぶりです。こんなところまでご覧になられているということは、お元気でおられるということなのだろうと、嬉しく思いました。ご覧くださいまして、大変ありがとうございます。
Wolfram のウェブ記載がおかしな件のご指摘も、大変ありがとうございます。改善してもらえるよう、働きかけてもらいます。何かまた気づいたことがあったら、教えて下さいますとありがたいです。

今後も、よろしくお願いいたします。

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